裏ギフト
そう思い、あたしは首をひねった。


けれどすぐに1つの可能性を見つけて「あ」と、呟く。


そういえば、昨日は永遠と一緒に家まで帰ったんだ。


いつも大勢で遊ぶ時は学校の近くで待ち合わせをしているから、永遠は『ここが侑理の家なんだな。覚えたら今度遊びに来ようかな』と、言っていた。


「まさか、これって永遠から……?」


そう呟き箱の中の毛玉を見つめる。


もしそうだとしたら、永遠が朝早い時間からうちに来た事になる。


あたしがもう少し早く起きて外を確認していれば、永遠にあえていたのかもしれない。


そう思うと悔しくて唇をかんだ。


でも、これが永遠からの贈り物だと決まったワケではない。


あくまでも可能性の話だ。


あたしはそう思い直し箱を自室へと持っていくと大切に窓辺に置いたのだった。
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