裏ギフト
家へ
自転車で風を切って走り学校に到着すると、すでに体育館からバスケ部のボールの音が聞こえて来ていた。


あたしは体育館の横に自転車を置くと、小走りに入り口へと向かった。


「いた……!」


体育館の中ではバスケ部とバレー部が合同で練習をしていたけれど、あたしはすぐに永遠を見つけることができた。


ウォーミングアップを終えた所なのか永遠の呼吸は少し荒く、汗ばんでいる。


額に張り付く前髪をかきあげる姿に、あたしより先に集まっていたファンたちが黄色い悲鳴をあげた。


だけどあたしはそんな事でキャァキャァ言ったりなんてしない。


本当は言いたかったけれど、ファンと一緒のくくりに入るのは嫌だった。


永遠がふとこちらを見てあたしを見つけた瞬間、ニコリと笑って片手をあげた。


あたしはそれに手をふって答える。


ほらね、他のファンとは違う対応をしてくれる。


あたしはそれに対して優越感を覚えた。
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