裏ギフト
初はニヤニヤと楽しそうに笑ってあたしを見ている。


「成本って絶対に侑理の事が好きだよ」


あたしの耳元でそんな気持ちの悪い事を言ってくる初。


「うそ、本当に！？　どうするのよ侑理」


勝手に話に加わって来たつぐみが興奮気味にそう聞いてくる。


どうするもこうするもない。


あたしは暖に興味なんてこれっぽっちもないんだから。


「あたし、好きな人いるし」


「まじで！？　誰誰？」


初が更に笑顔を浮かべて身を乗り出してそう聞いてくる。


うるさい、ハエみたいな子だ。


あたしは初の声に顔をしかめた。


「誰だっていいでしょ」


「えぇ～、いいじゃん誰にも言わないから！」


初とつぐみは、あたしが恥ずかしがって好きな人の名前を言わないのだと思っているらしい。
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