裏ギフト
「そう。キーホルダーやストラップにはなってなくて、ポンポンの部分だけが送られてきたの」


「それってプレゼントってこと?」


初がそう聞いてくる。


あたしは首を左右にふって「わからない」と、答えた。


「でも、何かを誰かに送るっていうのは、お世話になっていますっていう合言葉みたいなものだよね?


誕生日プレゼントとかじゃなければ、お礼の意味になると思うんだけど」


つぐみはそう言う。


「そうだね。でも、相手の名前や住所は書かれてなかったんだよね」


「なにそれ、相手がわからないってちょっと気持ち悪いね」


つぐみがそう言い、眉をよせた。


そう。


あたしもそう思っていた。


相手がわからないからこそ、永遠からだったらいいなぁなんて、考えたりした。


「それってもしかして侑理のファンからの贈り物なんじゃない?」


初がハッと閃いたような表情をしてそう言った。
< 56 / 382 >

この作品をシェア

pagetop