裏ギフト
返事をして、結香はまたうつむく。


永遠はそんな結香の顔を覗き込んだ。


「誰にも話せないようなこと?」


「今は……思い出したくなくて」


そう言い、結香は小刻みに体を震わせた。


「そっか……」


永遠が結香の手を握る。


ガリッ。


思わず体に力が入り、歯を噛みしめるあたし。


あの震えは絶対にわざとだ。


永遠の気を惹こうとしているに決まってる。


「話せるときがきたら、いつでも聞くから」


「ありがとう」


結香がそう言って微笑み、永遠はほんのりと頬を赤く染めた。
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