裏ギフト
悪口
結香の化けの皮をはがす方法を考えている最中、あたしの心はウキウキと踊っていた。


まるで遠足前夜の子供のように目がさえ、結香が絶望する顔を想像して1人でにやけていた。


結香へのイヤガラセは次から次へと浮かんできた。


あれほど虫が嫌いなら、机の中やカバンの中まで虫を入れてしまえばいい。


結香はきっと教室で絶叫するだろう。


だけどそんなあからさまなやり方じゃダメだった。


クラスメイトたちが、結香が被害者であると認識すれば悲劇のヒロインを気取るに決まっている。


自分のせいでイヤガラセを受けているのに、『あたし、なにもしてないのに』と、泣き崩れて同情をひくだろう。


結香ならそのくらいのこと、する。


あくまでも、結香は加害者じゃなければいけない。
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