裏ギフト
うるさいんだよ、お前は。


そんなに人の恋愛が気になるのかよ。


そんなもの気にかけてる暇があれば痩せろよデブ。


イライラして、箸をウインナーに突き立てる。


ブチッと音を立てて腸を突き破り、柔らかいミンチ肉に箸が刺さる感覚に、少しだけ気持ちが落ち着く。


「それよりさ、ちょっと2人に話があるんだけど」


ムカついて初を豚呼ばわりしてしまう前に、あたしはそう切り出した。


「なに?」


初がこちらを向く。


「食べ終わったら話すね」


そう答え、あたしはウインナーを一口で食べたのだった。
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