裏ギフト
☆☆☆

お弁当を食べ終えたあたしたちは、普段生徒があまり来ない校舎裏へと移動してきていた。


「こんな所で話?」


つぐみが周囲を見回してそう聞いてくる。


「そう。あんまり人に聞かれたくないからね」


フェンスに持たれるようにして立ち、あたしは答えた。


「え、それってなに?」


初がパッと目を輝かせて聞いてくる。


興味津々みたいだ。


つぐみもまんざらじゃない様子で、少しソワソワしている。


自分たちだけに教えられる秘密というのは、何歳になってもワクワクするものだ。


それが良くないものでもね。


「実はね、結香の事なんだけど」


「結香?」


初は目をパチクリしてあたしを見た。
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