裏ギフト
「そうだったんだ!?」


つぐみが目を見開き、大きな声を出す。


「だから最近あの2人はいつも一緒にご飯食べてたんだね」


初は勝手な想像をふくらまして、いいように解釈してくれている。


もちろん、あたしが言った事は嘘だ。


だけど2人ともあたしの話を信じて疑わない。


現実とほんの少しリンクさせるだけで、嘘はグッと現実に近くなる。


「そう。それで永遠から昨日聞いた話なんだけど、結香はあたしたちと一緒にいるのがもう嫌なんだって」


「どういう事?」


初が聞いてくる。


「初の事は体臭が強いからだって。つぐみの事は身長ばっかり高くて存在感がない。あたしの事は化粧お化けって言ってたらしい」


初に多少の体臭があるのは本当だ。


つぐみに存在感がないのも。


そして、それは本人たちが日ごろから気にしている部分だと、あたしは知っていた。


「……ひどい……」


初がうつむいて呟いた。


あたしは初の背中を優しくなでる。
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