smile
試合が始まった。
サッカー部の試合見るのなんて初めてだったから私は釘付けになっていた。
「侑愛!あれ葛木くんじゃない?」
ひときわ目立っているのが葛木くんだった。
その瞬間、葛木くんがシュートを決めた。
「きゃーーーーーーー!!」
周りにいた女子から歓声が上がった。
「すごいファンの数だね...しかも他校の子まで...」
やっぱ我が校の王子様はどの学校でも有名なんだな...。
「ほら、侑愛も応援しないとー!」
優莉が私の背中を押した。
恐る恐る私は
「葛木くんー!頑張ってー!」
と叫んだ。
すると葛木くんがこっちを向いて手を振ってきた。
私は周りの目が気になったから振り返せなかった。
試合は葛木くんのおかげで勝った。
サッカー部がコートから出てくると周りにいた女子たちが一斉に走って行った。
もちろんみんな葛木くんの方へ...。
差し入れをたくさんもらう葛木くんを私はただただ見ていた。
「侑愛、行かないの?」
優莉が隣から言ってきたけど私はそんなことはできず他のサッカー部に
「これ、私と優莉で作ったから。
みんなかっこよかったよ~!」
と差し入れを渡した。
「ありがとー!お前もなかなかやるじゃん!」
「まぁね。じゃあ明日学校でね~!」
私と優莉が帰ろうとした時。
「おい!聖矢!こいつら帰るってよー!」
サッカー部の1人が叫んだ。
ファンに囲まれてた葛木くんがこっちに走ってきた。