smile



「中嶋、宮森さんも来てくれてありがと。」
「いぇいぇ。葛木くんめっちゃかっこよかったよ!」
「まじで?今日ちょっと調子悪かったからさ...」
「そんなことないよ!すごいなって思った。」

「侑愛、ごめん私帰るね。」
「あ、じゃあ私も...」
「葛木くん、侑愛お願いしても大丈夫?」
「おぅ。」
優莉はそう行って帰って行った。
突然のことに状況が分かってない私に葛木くんが
「俺ら着替えてミーティングするんだけど...」
「あ、うん。待ってて大丈夫...?」
「おぅ。早く終わらせるから。」
「うん...。」

私は近くのベンチで座って待っていた。
優莉から
「どーなった?報告待ってるね!」
とLINEが来ていた。
「今待ってる。何も期待しないでよ笑」
何も期待しちゃダメだ...
そう自分に言い聞かせていた。



「中嶋じゃあな!」
どんどんサッカー部が帰って行く。
「聖矢ならまだ捕まってるぜ笑」
指差す方を見ると葛木くんがまたファンの子たちに囲まれていた。
遠征着になった葛木くんは写真撮影タイム。
私は近づいてそれを見ていた。
「すごい女子力...」
みんな葛木くんが好きなんだな...
「あ、中嶋...ごめん待たせてて。」
「ううん。大丈夫だよ。」
「あ、写真撮ろーぜ。」
そう言って葛木くんが自分の携帯を取り出した。
そして私の肩を引き寄せ写真を撮った。
「OK。後で送るわ。」
「う、うん。」
絶対変な顔だったよ...しかも...
葛木くんの突然の行動に周りのファンはびっくり。
「ずるいぃー!私もそーやって撮ってほしかったー!」
「この子は特別だから。」
葛木くんはハニカミながら言った。
「えぇー。その子誰なんですかー?」
葛木くんは私のことを見ながら私の頭に手をポンッと置いた。



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