smile
この日が来てしまった。
優莉からは何度も無理しないようにって言われたけど、自分のためにも今日は乗り越えないとって思った。
集合場所のバス停にはサッカー部が集まっていた。
「か、かっこいい...」
私服姿の葛木くんはひときわ輝いていた。
「侑愛、心の声出てる笑笑」
みんなが笑っていた。
「じゃあ行こうか。」
バスは私たちしかいなかった。
葛木くんは私の横に自然に座った。
「おはよう。」
「おはよう。」
「侑愛ちゃんって私服そんな感じなんだね 」
「あ、うん。」
「可愛いと思う。」
「ありがとう...。葛木くんもすごくかっこいい...。」
「まじで?よかった。」
葛木くんはニコッと笑った。
私はとっさに顔を隠した。
「あのさ...まだ俺のこと名前で呼ばないよね...?笑」
痛いとこつかれたな...
「まだ恥ずかしくて...笑」
「そっか。まぁいつでもいいよ!」
「うん。」
名前で呼ぶなんてそんなこと私なんかがしていいのかずっと不安で...
「すごーい!!」
海は青くて天気もいい。最高の海日和だ!
なんのためらいもなく水着になるみんなを見ながら私は1人レジャーシートに座っていた。
「侑愛も早く来なよー!」
「あ、うん!」
ブーブーブー
優莉の携帯が鳴った。
和也くんからだった。
「あ、侑愛です...。」
「侑愛ちゃん、優莉は?」
「あ、みんなと遊んでます。」
「そっか、楽しんでる?」
「あ、はい...。」
「よかったよかった!優莉に帰るとき連絡してって言っといてくれる?」
「分かりました!」
「心配だから迎えに行くって言っちゃってさ笑 俺ってバカだよな笑」
「素敵ですよ!優莉のこと大切にしてるんだなって思います。」
「ありがと。あ、優莉から聞いたけど侑愛ちゃんも頑張ってね!」
「あ、はい...。実はまだ信じられてなくて...」
「葛木は中学の時から知ってるけど、いい奴だと思うよ。俺からもお願い。信じてやって!」
「はい...。」