smile


それからも廊下ですれ違ったりしたけど何にも言って来ないしやっぱ嘘だったんだなって思った。

「優莉、ごめん今日バイトだから部活早退するね。」
「OK!バイト頑張れ!」
「うん。ばいばーい!」

1人で帰ろうとしたその時。
「中嶋...。」
「あ、葛木くん...。」
「部活は?」
「これからバイトなの。葛木くんは?」
「病院。試合前に行っとこうと思って。」
「そっか~。じゃあね...!」
「おぅ。」
別に何の変哲もなかった。
「お腹すいたな、バイト前になんか食べようかな...」
1人で帰っていると葛木くんが自転車で追いついてきた。
「駅まで送るよ。」
「え、あ、1人で大丈夫だよ。」
葛木くんは何も言わず自転車から降りた。
なんか急に気まずくなってきた...
元々話したことないし...。
「あ、病院って怪我してるの?」
「前に足怪我したからたまに行ってる。」
「そーなんだ。試合っていつなの?」
「今週の日曜。」
「日曜か...。」
私は携帯のカレンダーをひらいた。
「それって見に行っても大丈夫...?」
「え、おぅ。来てくれるの?」
葛木くんがニコッと笑った。
普段はクールなのにこーゆーとこがあるから王子様なのかな...。
「あ、部活もないし...友達と行こうかな。」
「OK、じゃあ活躍しねぇとだな笑」
「期待してるわ!」
なんかこんな人だとは思ってなかった。

そんなことを話しているとあっという間に駅についた。
「一緒に帰ってくれてありがとう。
じゃあ、また明日ね。」
「あ、あのさ...」
葛木くんが携帯を取り出した。
「LINE交換しねぇ?ほら、試合のこともあるし...。」
「あ、そーだね!」
まさかLINEまでgetできるなんて...
「じゃあ、またな!」
葛木くんは自転車で颯爽に帰って行った。
「勘違いするな私。ただの友達...。」
私は登録画面を見ながらつぶやいた。

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