冬の約束

「花咲 雄大(はなさき ゆうだい)先生、式中ですのでお静かに...」

うちの担任が注意してる。といっても、目がハートでいつもの迫力はどこえやら。
あいつは、前からそうだ。前から容姿がちょっといいだけで...

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入学したてのオリエンテーションの最中に、あいつが私と従兄弟ってこと言うし......
そのせいで、それから少しの間生きた心地がしなかったんだよ、女子の視線で!!
女子の視線、本当に怖かったぁ~。
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あいつは、おとなしく座った。

「花咲さん。花咲さん!!」

「はっ、はい!!」

「早く座りなさい。」

うちの担任が、私にはそっけなく声をかけてくる。

「すみません。」

卒業式なんだから、もう少し優しくてもいいのに.....!!
でも今になって、恥ずかしくなってきた。
私が座り終えると、もう周りのみんなはついさっきのように「この学年が珍しく...(以下略)」の状態になっていた。

...2人を除いて。
その2人のうちの1人は、後ろでめっちゃ笑いを噛み殺してるし....
もういい、知らないもん。

「3年1組 飯田 努!!」

「はい。」

7組まで、まだまだ.......
暇だー!!
暇すぎる。
そうだ!


寝ようっと。

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