冬の約束
私はその言葉で、頭が真っ白になった。
「えっ.....えっと...どういうこと。私....おかあ.....えっ。」
ガチャ
「ねぇ~、まだ来ないの~??....っていうか来ているじゃな~い。かわい~。私は、谷華山付属高校の理事長の真夜で~す。これから、よろしくね~。」
急に入ってきたクリーム色のボブヘアで、白い肌に花柄のワンピースを来た可愛らしい人が、その可愛らしい口から雪崩のように言葉が落ち続けている.....
っていうか、一人でいろんな話展開してるんですけど私、この人とこれからよろしくするの!?
「真夜。もう来ましたの??早くないかしら。今、重大なことを話していたところでしたのに.....」
っていうか、何でお母さん(偽)が残念そうにしているワケ??
「お母さ....理事長、意味が掴めないんですが.....」
「.....」
いや無視!?理事長無視ったよね、今!!
「あなたが~、遅いからよ~。」
え!?真夜さんも無視!?なんか皆ひどすぎ......
「騒々しいですわ、真夜。少し黙っててくれないかしら。今、私は美彩の母親ではなくって、私の友達が美彩の母親であること、そして本当の母親は美彩が生まれてすぐに死んだこと、その死に方がおかしくて真夜に調べてもらうと大変なことが分かったから急遽、真夜の学校に移ることになったということ、などを伝えている最中でしたのに....」
え、幻聴......??
「うそ......でしょ..」
「「あ..........」」
二人を見ると、二人とも下を向いていた。
片方がクリーム色のボブの髪を揺らしながら、口を開いた。
「だ、だからね~.....美彩ちゃん、えっと~.....その~..」
私は二人の弁解を聞く前に理事長室の扉に手をかけていた。