きみはアイドル
*prologue*



ーーーー7年前





夏休み真っ最中だからなのか
暑い中大勢の人が行き交う駅の中、


僕は足を止めて辺りを見回したあと、



「…あれ…おかしいな…無い…」



リュックに入れたはずのメモを探しながらそう呟いた。



けれど当然人混みに消されてしまう。


…どうしよう。



僕が探しているメモは、この駅から家までの電車の乗り方が書いてあるもので

初めて電車でこの駅に1人で来た僕は
そのメモしか頼るものが無いくらい
大事なものなのに…


これじゃあ帰り方が分からないよ…








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