きみはアイドル



すると麻結は少し首を傾げながらも、「そうなんですか?」と小さく呟いた。



本当に…

俺はあの時、何を思っていたんだろう…。



さっき…無意識のうちに口が動いて麻結の名前を呼んでいた。




…あのまま言い続けていたら…もしかして、俺の気持ちまで言ってしまっていたんじゃないか、とも思う。



…いや…



せっかく7年間頑張ってやっと会えて…
連絡先も交換して2人きりで話せるようになったこの関係を…今はまだ壊したくない。



…勿論、いつかは気持ちを伝えたいけど。


まだまだ俺は麻結に相応しくないし。…てか追いつけてもないしなぁ…。


それでも、麻結を他のやつに取られたくない…なんて思うのは自分勝手すぎるか…?


そうして顔を上げると、きょとんとした顔をしている麻結と視線が合った。





< 103 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop