きみはアイドル
すると麻結は少し首を傾げながらも、「そうなんですか?」と小さく呟いた。
本当に…
俺はあの時、何を思っていたんだろう…。
さっき…無意識のうちに口が動いて麻結の名前を呼んでいた。
…あのまま言い続けていたら…もしかして、俺の気持ちまで言ってしまっていたんじゃないか、とも思う。
…いや…
せっかく7年間頑張ってやっと会えて…
連絡先も交換して2人きりで話せるようになったこの関係を…今はまだ壊したくない。
…勿論、いつかは気持ちを伝えたいけど。
まだまだ俺は麻結に相応しくないし。…てか追いつけてもないしなぁ…。
それでも、麻結を他のやつに取られたくない…なんて思うのは自分勝手すぎるか…?
そうして顔を上げると、きょとんとした顔をしている麻結と視線が合った。