きみはアイドル
……え……
功と視線があって不思議に思った瞬間。
「じゃ、そーゆーことで。とにかく俺もう決めたから。…ちょっとマネージャーと話してくるわ。」
「…ちょ…おい、功!!?」
俺らがそう叫んだにも関わらず
功はガタッと立ち上がると、部屋を出て行ってしまった。
「くっそ…!」
俺も立ち上がって功の後を追おうとすると
「一輝!!」
その声と共にグイッと腕をつかまれ振り返ると
裕也が僅かに首を横に振りながら、俺を引き止めていた。
「裕也、なんで…」
そうやっているうちに、他のメンバー2人は部屋を出て功を追っていた。
「今はあの2人に任せようよ。一輝だって功が辞めたいって言ってる本当の理由…もしかしたら薄々分かってるんじゃないの?」
裕也に言われて、俺は視線を落とした。
「まぁ僕はそれが悪いことだなんて思わないけど…」
いや…そうだよ。
なんとなくだけど分かってる。
功が事務所を辞めたいって言ってる理由も
さっき裕也がわざわざ俺を引き止めたことも。
だって
それは全部
俺のせい…だから。