きみはアイドル
とりあえず…どこかに座った方がいいよね。椅子もいっぱいあるし…
そう思って辺りを見回していたときだった。
「麻結、こっち。」
声が聞こえて慌てて振り返ってみると
奥の部屋に一輝先輩の姿が見えた。
「おはよ。」
そのまま私が駆け寄るとキラキラした笑顔でそう言う一輝先輩。
「おはようございます…!すみません、遅かったですよね…?」
「いやいや、そんな事ないよ!俺が早く来すぎただけだから。気にしないで。」
そう言ってまた微笑む一輝先輩。
でも私はそのとき少しだけ違和感を感じた。
…あれ…?
一輝先輩、ちょっと元気ないような…気のせいかな?
ふと思ったものの、そのあともいつも通り振る舞う一輝先輩を見ると何も言えず
たわいない会話をするだけだった。