きみはアイドル
そっか…前から
憧れてる先輩は篠宮先輩だって
言ってたもんね。
てっきり何回か共演してるかと思ってたけど…違ったのかな?
だったらもしかして私の方が…
「てか麻結は最近篠宮先輩と会ったりしてないの?」
「え?!…あ、そ、そうですね。最近はあんまり…」
考え事をしていた私は、一輝先輩の問いかけに少し驚きながら答えた。
「そっか。…あーでもその前にテスト範囲の発表かぁ〜。現実って感じで嫌になるよね。」
そう言って困ったように笑う一輝先輩。
その笑顔を見つめながらも、私はあることを考えていた。
☆★☆★☆★☆
翌日。
いつものコント番組の収録が終わった後、ある人の楽屋を訪れていた。
「どうしたの、麻結?何かあったんでしょ?」
私の正面に座って優しく微笑んでくれているのは
一輝先輩の憧れの人、
そして私が幼いときに共演して以来
いつも気にかけてくれる
お兄ちゃんみたいな存在の
篠宮晶さんだった。