きみはアイドル
「ううん、俺甘いものめっちゃ好き。…てか、これってもしかして…手作り?」
「え?あ、はい…あの味見はしたので大丈夫な筈…です!」
私がそう言うと、一輝先輩は「そ、そっか…!」と言いながらも
ほのかに口元がほころんでいるような気がした。
私の気のせいかもしれないけど…
そして、袋から丁寧に取り出したクッキーを口へ運ぶと
「うん、美味しい。…ありがとう、麻結」
と、優しい笑顔を向けてくれた。
「い、いえいえ!!」
ああああ…ホッとしたあぁ…
私は安心して胸を撫で下ろした。
何にも解決はして無い気がするけど…こうやって一輝先輩の笑顔が見れた事が
本当に良かった…
最近は、笑顔でも何か元気が無さそうだったし。