きみはアイドル
理由
〜side一輝
突然の功の事務所を辞める宣言。
いや…前からそう思わせる事はちょっとあった気がするけど
きっと、原因は俺だ。
理由も何となく分かる。
…でも…どうしたらいいのか
俺に何が出来るのか…
どれだけ考えても答えは出ず、ますます悩んでしまうだけだった。
…だって…なぁ…
原因である俺にとやかく言われたくないだろうし…
そもそも、俺の事嫌いだと思うし。
やっぱり俺には…何も出来ない…
そう思って何も行動にも起こせず、月日だけが経ってしまった。
「おはよう、一輝。今日も勉強してたの?」
朝、いつものように俺が図書室から戻って教室の席に行くと
裕也がそう声をかけてくれた。
「おはよ。うん、まあ。」
「やっぱりー。何かいい事でもあったんだ?」
「は?!急に何言ってんだよ…?!」
何故かニヤニヤしている裕也を横目に俺は自分の席に座った。