きみはアイドル
すると裕也も前の席に座って、
「だって、一輝の顔なんか嬉しそうなんだもん。最近は難しそうな顔してばっかりなのに。」
……難しそうな顔、か
確かにそうかもしれない…悩み過ぎて険しい顔になっている時があるなって自覚もしている。
でも、麻結といる時間だけは気持ちが楽になるというか、なんか落ち着くんだよな…
それが唯一の癒しで。
今日なんかクッキーまで貰っちゃったし…しかも手作りだよ?手作り。嬉しすぎるだろ。天使かよ…
「一輝…顔がニヤけてるよ。」
ハッと前を見ると、裕也が呆れた顔をしながら俺を見ていた。
「…まぁ一輝の事だし理由は分かってるようなもんだけど。」
「…わ、悪かったな、分かりやすくて!」
なんか前にもこんな事言われた気がする…
俺ってそんな単純だったか…?!