きみはアイドル
その言葉は雷を受けたような衝撃を俺に与えた。
「…神山さん、これからソロ活動する気はありませんか?」
「…は…?」
ソロ…?
驚きのあまり、言葉が出てこない。
「いや、これはまだ決定ではなくて…まだ話の途中なんですけれど、事務所的には神山さんはグループを離れてソロ活動した方がいい、と考えていまして…」
ソロ活動…って…
「い、今までグループでやってきたのに…いきなりソロって…なんだよそれ…」
やっと発した言葉は、自分でも分かるくらい震えていた。
「ソロ活動には反対ですか?」
「…そんなの、反対に決まってるだろ…!」
するとマネージャーは困ったように眉をひそめ、
「僕としては神山さんの意見を尊重したいのですが…今の現状を考えてみて下さい。」
こう続けて言った。
「Birthというグループは若手では1番と言われてて、現に若いファンの方も多くいらっしゃいます。ですが…」
「…全体的に見たらそうじゃない…って事だろ。そんなの分かってるよ。」
まだまだ認知度も低いし、人気だって先輩の足元にも及んでいない。
それも重々承知で。
それどころか最近デビューした後輩の方が勢いがあるんじゃないか…とも思ってるくらいだ。