きみはアイドル
「そうだ、誰かに聞けば…!」
僕はそう思うと
早足で立ち去ってしまう人に一生懸命声を掛けていった。
「すみません!あの…」
「ちょっといいですか?」
「奏駅まで行きたいんですけど…」
けれど、みんな僕が言い終わる前に
さっさとどこかに行ってしまい
聞いてくれる気配も無い。
…みんな忙しいのかな…
僕みたいな子供は相手にしている余裕が無いって
ことなのかな…
…やっぱりこんな所来なければよかった。
家にも帰れないし、どうしよう…
そう思うと急に気力が無くなり
足も止まってしまう。