きみはアイドル



すると、神山先輩はそれを見て


「一個空いてるから麻結ちゃん座りなよ。」


えぇっ!!


「い、いやいや…私は大丈夫なんで、神山先輩座って下さい!」



「ん、俺はいいよ。ここで立ってるから。」



そう言って優しくにこりと笑う神山先輩。



うぅ…こ、この笑顔で言うなんて、反則…!



結局逆らえず、



「…あ、ありがとうございます!すみません、じゃあお言葉に甘えて…」


そう言って1番端っこの空いている席に座った。


「あ、それならカバンお持ちしましょうか…?座らせてもらってるので、そのくらい…なんだか悪いので…」


私の前に立って吊革を持っている神山先輩にそう言ってみたものの、



「いーよいーよ、気にしないで。」




……いや、気にしますよ…!!









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