きみはアイドル
しばらくそのまま電車に揺られていると、
「…ねえ、…あれってもしかして…一輝君じゃない…⁉︎」
「…え⁉︎一輝君?どれどれ…?!」
そんな声が少し離れたところから聞こえてきた。
話しているのは大学生くらいの女の子2人組だった。
…さ、さすが…若い女性に人気のアイドルって言われてるもんね…。
ぼーっとそんなことを考えていると、神山先輩もその声に気付いたのか
「…あ…やっべ、忘れてた…」
と、小さく呟きながらカバンを漁り
取り出したメガネをかけた。
…はー…やっぱ有名人って大変だなぁ…
こんなところにも気を使わなくちゃいけないし…
……
…って…一応私もか…
ううん、でも
それにしては、なんだか違い過ぎて…