きみはアイドル
「どうしたの?」
気づけば、神山先輩が私の顔を覗き込んでいた。
……えっ…
ひゃああああ…またぼーっとしちゃってたみたい…
「い、いや…何でもないんです…!ちょっとぼーっとしてて…」
私は慌てて首を振った。
「大丈夫?もうすぐ駅着くけど…。」
神山先輩がそう言った直後に車内アナウンスが流れる。
…もうそんなところまで来てたんだ。
「大丈夫です!それに仕事に穴を開けるわけにもいかないので。」
私が笑顔でそう言うと、神山先輩も「そっか。」と言ってにこりと微笑んだ。
「まぁ、俺も撮影が近くのスタジオであるから、そこまでなら一緒に行けるし…」
!!
…そっか…もう少しだけ
近くにいられるんだ。