きみはアイドル




「どうしたの?」



気づけば、神山先輩が私の顔を覗き込んでいた。




……えっ…


ひゃああああ…またぼーっとしちゃってたみたい…



「い、いや…何でもないんです…!ちょっとぼーっとしてて…」


私は慌てて首を振った。




「大丈夫?もうすぐ駅着くけど…。」



神山先輩がそう言った直後に車内アナウンスが流れる。




…もうそんなところまで来てたんだ。



「大丈夫です!それに仕事に穴を開けるわけにもいかないので。」



私が笑顔でそう言うと、神山先輩も「そっか。」と言ってにこりと微笑んだ。




「まぁ、俺も撮影が近くのスタジオであるから、そこまでなら一緒に行けるし…」



!!



…そっか…もう少しだけ
近くにいられるんだ。






< 31 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop