きみはアイドル
「そ、そうなんですか…!…は、恥ずかしい…」
私は右手で顔の半分を覆うように隠した。
あんな深夜の番組なのに見てくれたのは嬉しいけど…普通のお芝居じゃなくて言ってもお笑いだし、なんか…
「何で恥ずかしいの?めっちゃくちゃ面白いのに。俺いっつも楽しみにしてるもん。」
そう言って笑う神山先輩の顔は確かに楽しそうだ。
「それにコントだけど、やっぱり麻結ちゃんは演技がすごいなーって…やっぱ流石女優だなって思うもん。」
「…えっ…」
思わず驚きの声をあげると、神山先輩は何故か慌てた様子でまた口を開いた。
「…あ…!ごめん、俺なんか偉そうだったよね…」
「え?!い、いえ!全然そんなんじゃないんです!」
私が思ったのは…
この不安に思って気にしていたことを
なんでこんな簡単に、
そして、きっと自然体で
欲しい言葉を掛けてくれるんだろうって。
…それが神山先輩からだから
尚更そう思うのかな…