きみはアイドル
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そしてあっという間にテレビ局の前まで着いた。
「あ…麻結ちゃんここだよね?俺こっちだから…」
そう言いながら神山先輩は右の道を指差した。
「は、はいっ…神山先輩、本当にありがとうございました。」
そう言って立ち止まり、神山先輩の顔を見上げた。
「ううん。別に俺は大した事してないよ。…でも、また何かあったら頼ってね。1年間だけど一応同じ高校なんだし。」
そう言って優しく笑う神山先輩。
「はい!…あ、ありがとうございます…!」
あぁ…神山先輩、本当に優しいなぁ…
段々と遠くなる神山先輩の背中を立ち止まったまま見つめる。
…でも結局聞けなかったな…
7年前の事を覚えているのか。
…もう覚えていないとは思ってるけど、
実際に確かめるのが怖くて…。
今日一緒に電車に乗って、色んな話をして…
懐かしいなって感じたのも…私だけなのかな…
私はどうしようもない気持ちをしまいこむようにして歩き出した。