きみはアイドル



「あははっ、ごめんごめん。まあでも…本当に良かったね。ずっと会いたいって言ってたもんね。」



そう言って裕也はにこりと笑った。


「…うん。」



「それで、連絡先は交換したの?」



………




「え?」


俺は間抜けな声で聞き返した。




「だからー、連絡先だよ!麻結ちゃんの!」




連絡先…







…連絡先⁉︎




「わ…忘れてた…」




そうか…その手があったのか…!!





その考え自体が頭に無かった俺は、裕也が軽く言ったその言葉に衝撃を受けた。




「えぇ⁈忘れてたの?あんなに会いたい会いたいって言ってて折角現実になったのに?!何やってんの一輝…」




「いや、本当そうだよな…何で気がつかなかったんだ俺…ちょっと舞い上がり過ぎてたかも…」




俺がそう言うと、裕也は盛大にため息をついた。





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