きみはアイドル
「いや、でも同じ高校って分かった事だし、また会えるでしょ!その時に聞いたら…」
そう自分自身に言い聞かせるようにそう言ったが、裕也の表情は険しいままだ。
「…いやぁ〜…どうかな。入学式の日でも仕事が入ってるくらいだし…しばらく会えなくなるかもしれないよ?」
…うっ…確かに…それは言えてる…!
「それに、もしいたとしてもタイミングとかあるし…どーなのかなぁ。」
…なるほど、裕也の言ってたのを聞いて思うには
…俺は絶好のチャンスを逃した…ってことだよな…
あぁーっ!くそッ……
☆★☆★☆★☆
それから約3週間。
校内で麻結ちゃんの姿は1度も見かけなかった。
見ることが出来たのは、あの深夜にやってる番組のみ…
しかもテレビの前でだからね?!
「はぁ〜…」
学校に行く途中の電車で俺は思わず大きなため息をついた。