きみはアイドル
裕也が出て行って静寂に包まれる保健室。
先に口を開いたのは麻結ちゃんの方だった。
「ごめんなさい、迷惑かけちゃって…神山先輩がここまで運んでくれたんですよね?」
「え?あぁ…そうだけど…。迷惑なんかじゃないし、大丈夫だよ。」
「いや…でも私絶対重かったと思いますし…!!すみません本当!」
そう言ってわたわたしている麻結ちゃん。
……か、可愛い…
………
…っ、じゃ無くて!!
「そんなの気にしなくていいよ!てかむしろ軽かったくらいだし…。それより、体調はもう大丈夫なの?」
「はい!よく寝れたからなのか、もうこの通りすっかり元気です。」
そして、ふわりと微笑んだ。
俺がずっと見たかった、天使のような笑顔。
「そっか…」
よかった……
その笑顔を見て俺はホッと胸をなで下ろした。