きみはアイドル
「金曜日も昼から仕事なの?」
俺がそう聞くと、麻結ちゃんは頷いて言った。
「そうなんです、今舞台をやってて。それは夕方からなんですけど、演技レッスンがあって…」
「そっか。大変だね…」
言い終わると、麻結ちゃんは視線をずらして少し俯いた。
…?
すると、俺が不思議がっていることに気が付いたらしく、
「あ、何でもないです!ちょっとぼーっとしてて…!」
と、首を振った。
…やっぱり、マネージャーに言いかけたことに原因があるのかな…
遊びに行くのが息抜きになってくれるといいんだけど…。あぁ…でも裕也以外は俺が麻結ちゃんを好きって知らないしなぁ…
それに、出来ることなら
あんまり麻結ちゃんと普通科のやつらを喋らせたくないし…あぁ〜…
色々な考えが頭の中をめぐる。
はぁ…
でも、大人数でとはいえ麻結ちゃんと出かけられるなんて…めっちゃ緊張する…
…一体どうなるんだろ…