きみはアイドル


そう言って僕は麻結に悩みを話し始めた。


ダンスも歌も初めてのことだらけで、全然出来ないこと。同い年くらいでも僕より上手い人はたくさん居て心が折れそうなこと。
周りに相談出来る人がいないこと…




情けないとこばっかり見せてるな…恥ずかしい…
とは思いつつ…
僕は話し続けた。


「そうなんだ…でも初めたばっかだと辛いよね。周りも知らない人で、誰にも頼れなかったりするし…」



けれど麻結はそれを呆れたり馬鹿にしたりせず、
親身になって最後まで聞いてくれた。



すごい優しい子だな…テレビの前でも柔らかい雰囲気で、いい子そうなのは伝わってきたけど…。



すると、ぼーっと考えていた僕は知らず知らずのうちに「優しいね…」と呟いてしまっていたみたいで…





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