きみはアイドル
「いや…そ、それは神山先輩が優しいからで…!…そういうのじゃないですよ。きっと…何とも思ってないです。私、見た目も中身も可愛くないですし…。」
自分で言った言葉なのにちょっとショックを受けて俯いたけれど
浅井さんはまだ納得していない様子で
「…そうかしら。…そうは見えなかったけれど…。それに、麻結は自分に自信が無いだけで十分…」
と、まだボソボソと呟くように何かを言っている。
……?
声が小さすぎて、よく聞こえない…
まあ、それは置いておいて。
…とりあえず…次会ったときに神山先輩にお礼言わなきゃ。
☆★☆★☆★☆
そうして金曜日。
今日は6人で遊ぶ約束をしている日だ。
「こ、この格好…変じゃない…よね?!」
誰に言うわけでもなく、ただただ小さい声でそう呟いた。
今日の私の格好は、レースの白いワンピースにデニムのジャケット。
神山先輩に私服が見られてしまう訳だし…ちゃんと考えないと!と思ってかなり時間をかけて服を選んだんだけど…
家を出てからも、これで大丈夫なのか気になってしまう…。