きみはアイドル

「…え？」



麻結に聞き返されて、やっと自分が声に出してしまったことに気付く。
…は、恥ずかしい…



……


けど、…やっぱり…



「いや…僕のどーでもいい話をこんなにちゃんと聞いてくれるなんて…優しいなって、思って……」


本当にそう感じたから。


すると、麻結は微笑みながら言った。





「そうかな？こんなの当たり前の事だよ。一輝くん、真剣に悩んでるのに。…それに…私もちょっと似たようなことあるし…」


…それを当たり前って言えるところに
麻結の優しさがでてると思うけど…



というか…




「麻結も…悩んでたって事？」



僕がそう尋ねると少し曇った笑顔で
小さく頷いた。


「うん。ちょっとね…」