きみはアイドル
そして、私はポツポツと話し始めた。
「…いつもレッスンってグループレッスンが多かったんです。
でも私は、すぐ“出来てるからいいよ”って言われたので…
レッスンの時間なのに、
ただ拘束されてるだけで
何もしてない事の方が多かったんです。
…それが今は無くなったから…
前よりもずっと負担が軽くなった気がするんです。
でもきっと…私じゃ何も言えなくて、
今も我慢してるだけだったと思います。
だから…一輝先輩、本当にありがとうございました!」
私はにっこりと笑ってそう言った。
「……っ////…う、うん…。」
すると、一輝先輩は何故だか視線を少し下へずらした。
…でも、ほんと
私、浅井さんの事ずっと冷たくて怖い人だと思いこんでたから…
浅井さんが考えてくれてた思いとかも、ずっと知らないままでいたんだろうな。
…一輝先輩、ありがとう。
私はもう一度心の中で、そう呟いた。