きみはアイドル

☆★☆★☆★☆


そして次の日。


俺は昨日と同じ時間の電車で登校した。


…麻結、いるかな…



そんな思いを抱きながら。


そして


…いた…。


昨日と同じく、席に座って勉強をしている麻結の姿を見つけると、


「おはよ。麻結。」


俺はあくまでも平静を装って、麻結がいる教室の中へ入った。



すると、


「お、おはようございます…!一輝先輩、今日も面談なんですか?」


「いや…もう少しでテスト期間だし、俺もちょっと勉強しようかなーって思って。昨日の面談でも言われちゃったし…」


…そんなこと言って、本当は麻結といたいだけなんだけど。



「…もし麻結が迷惑じゃなければ、もうちょっとここに居て…いい…?」



少し照れながら、俺は麻結の前の席を指差す。


「全然迷惑なんかじゃないです…!むしろ私、1人ってちょっと寂しかったので…嬉しいです。」



麻結はそう言って、にっこり微笑んだ。




…っ…や、やばい。



俺は赤くなった顔を隠すように、口を手で覆いながら席に座った。











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