天敵なキミに恋をした
音楽嫌いな彼
「吹奏楽部ってただ椅子に座って楽器吹くだけじゃん。」
吹奏楽部の私、神崎 詩音に向かってそういう彼は相沢 奏多くん。
「なっ…!違うもん!吹部っていうのは腹筋とか肺活量とかいるから筋トレもするし、楽器吹くためにもいろいろ覚えなきゃいけないことが……っ…」
必死になって言い返す私はもはや涙目。
「はいはい、それ何度も聞いたから。神崎は何吹いてるんだっけ?」
相沢くんはふっ、と笑ってそういう。
「バリトンサックス…」
私がポツリというと相沢くんは少し考えてから口を開いた。
「サックスって確か、あのくねってしてるやつだよな?」
「うん、その一番大きいやつだよ。」
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