天敵なキミに恋をした
「相沢くん、本当に音楽嫌い?」
神崎は俯きながらそう聞いてくる。
「……あぁ。」
口から出たのは肯定の言葉。
本当は好きなくせに何を言ってるんだ俺は。
すると神崎は勢いよく顔を上げた。
「嘘だよっ!相沢くん、サックス吹いてる時すっごく楽しそうだった!!」
あぁ……なんでコイツは見破っちゃうかな。それとも俺がそんなわかりやすかった?
「好きなものは好きって言っていいんだよ。たとえいろいろ事情があるにしても好きなものを否定する必要ないよ。
それに……私には嘘ついてほしくない…」
本当こいつは変に鋭い。
てか、最後なんだよ。反則だろ、そういうの。
「そうだよな…」
神崎を抱きしめる。