天敵なキミに恋をした
優しいキミと不調な私
それからしばらくが経った。
最近、楽器の調子が悪い。音が出にくかったり、前まで吹けていたところが吹けなくなったり。
つまり、スランプだ。
もう……コンクールもあるのに最悪…
少しでも早くスランプを抜けれるように急いで部活に行こうとする。
だけど……
「神崎、今日日直だったよな?これを資料室まで運んでくれ。」
先生からそう頼まれてしまった。
「…はい。」
先生はよろしく、と言って颯爽と去っていく。
そして残されたのは資料の山。
これを運ぶのか……
ため息をつき、それを持つ。
意外と重くてよろめきながら運ぶ。
……しかもまえ見えないし…
すると、急に資料の3分の2が目の前から消えた。