天敵なキミに恋をした




「…それはそっ、その…おまえのさ、才能にえっと、い、イラついて…そのあの……うん。」




目を泳がせながら言う相沢くんのお兄さん。




絶対嘘じゃん。てか、わかりやすすぎでしょこの人。



さすがに相沢くんも信じないーー



「………そっか。」




信じていた。思いっきり信じていた。




「相沢くんのお兄さん、そんな嘘言っていいんですか?また、弟が傷つくことになるんですよ?」




その嘘に騙される弟の相沢くんもどうかと思うけど。





「別に俺は……そんな…嘘なんて…」




相沢くんと、そのお兄さん、


不器用で意地っ張りで素直じゃない。




すごく似てるなぁ。





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