天敵なキミに恋をした
相沢くんは私に背を向ける。
するとお兄さんはクスリと笑って続ける。
「簡単に言えばお前のために音楽をやめた。
だったらおまえは俺のために音楽を続けろ。以上だ。」
相沢くんのお兄さんはフッと笑って立ち上がる。
そして私を手招きした。
「彼女さんだよね?少しこっちでお話ししようか。奏多は落ち着いたらこっちおいで。」
お兄さんのその声に相沢くんはこくりと頷く。
相変わらず、私に顔は見せてくれなかった。