天敵なキミに恋をした
「ああ…それより父さん母さんにはなんて説明しよう……奏多が無理やり女の子を押し倒してましたっていうのか?さすがにそれは無理だ……兄としてなんとかしなければ…」
「いや、なにもしなくていいから。」
優多さんはこの世の終わりみたいな顔をしている。
「神崎さんだよね、ごめんね……昔はこんな変態チックじゃなかったんだけど…今ではすっかり男子高生になってしまって…許してやってくれないか?」
きっと、優多さんはいい人なんだろう。
だけど、少し焦りすぎだよね。ちょっとかわいいかも。
まぁ、全て原因は私が叫んだからなんだけどね…
「どうか、通報だけはしないでほしい…」
「いやいやいや、しませんから!」
今にでも泣きそうな顔で訴えてくる優多さん。
弟思いだもんね。
「通報するなら、部屋を綺麗にしてからにしてくれ。警察やマスコミに汚い部屋は見せたくないんだ…」
あ、そっち?弟のためじゃなくて部屋のため?面白いお兄さんだな。