天敵なキミに恋をした
沈んだ私の表情を見て苦笑する相沢くん。
「今はとりあえずコンクールの事考えようぜ。ほら、ここおまえの苦手なとこだろ。聴いとけ。」
バス内で繰り返し流れているコンクール曲。
「うん…!そうだよねっ!」
とりあえず今はコンクールに集中しなきゃ。
「えっと、ミーシレーラファミド……」
フレーズを歌ってみると相沢くんはクスリと笑った。
「おまえ音痴。ここはこうだろ。」
そう言って聴かせてくれたのはだいぶ前に公園で聴いたときみたいなとても綺麗な歌声だった。