天敵なキミに恋をした
あれからバスを降り、リハーサル室に来ている。
ここでは15分くらいみんなで音を合わせたり、コンクールで吹く曲の一部を練習したり、
とりあえずコンクール会場で唯一の楽器吹いていい時間となる。
「舞台袖に並んでください。」
他の中学校の子に言われ、宮田先生の指示で舞台袖にいく。
今は私たちの前の合奏の演奏。
「緊張してるか?」
小さい声で話しかけてきたのは相沢くん。
その言葉にこくりと頷く。
「肩の力を抜けよ?いつも通り、吹けばいいだけだ。」
「そうだよね、ありがと…」
数回深呼吸をすると相沢くんは苦笑した。
「ま、お互い頑張ろうぜ。」
相沢くんは数回私の頭を撫でてから自分の場所へ戻った。
「みんな、移動するわよ。」
先生のその言葉で私たちはステージに上がる。