天敵なキミに恋をした




あれからバスを降り、リハーサル室に来ている。



ここでは15分くらいみんなで音を合わせたり、コンクールで吹く曲の一部を練習したり、

とりあえずコンクール会場で唯一の楽器吹いていい時間となる。




「舞台袖に並んでください。」




他の中学校の子に言われ、宮田先生の指示で舞台袖にいく。




今は私たちの前の合奏の演奏。




「緊張してるか?」




小さい声で話しかけてきたのは相沢くん。



その言葉にこくりと頷く。




「肩の力を抜けよ?いつも通り、吹けばいいだけだ。」




「そうだよね、ありがと…」




数回深呼吸をすると相沢くんは苦笑した。



「ま、お互い頑張ろうぜ。」




相沢くんは数回私の頭を撫でてから自分の場所へ戻った。





「みんな、移動するわよ。」




先生のその言葉で私たちはステージに上がる。




< 271 / 320 >

この作品をシェア

pagetop