天敵なキミに恋をした





「確かに、ここは私たちの思い出がいっぱい詰まった場所なんだね!」




笑顔でそう言うと相沢くんは少し顔を赤くする。




「へ?相沢くん、どうかした?」



私がそう聞くと相沢くんはなんでもない、と言う。




「それよりさ、付き合う前はよくおまえ泣いてたよな。」




相沢くんは話を変えた。





「うん、だって相沢くんが音楽をバカにしてくるんだもん。」




あの頃は思わなかった。



相沢くんが音楽が大好きなんて。





「おまえさ、俺のこと嫌いだったろ。だから余計にムカついてからかってた。」




相沢くんは少し拗ねたように言う。




「き、嫌いというか……だって泣かしてくる人だよ?好きなわけないじゃん…」





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