1周まわって、好きかもしれない。
「いいじゃん、バレー部!」
思わず、必要以上に力がこもってしまった。
「そうかな?」
「前の高校でもやってたの?」
「そうなの」
リアルゆりちゃん、かもしれない。
え、本当に?これ夢じゃないの?
これだけ盛り上がって夢オチだったら泣きそうなんだけど大丈夫?
俺より半歩後ろを歩く、河谷さん。
半歩前を歩く凛子とは正反対。
艶のある、ダメージ知らずみたいな黒のロングヘアが風になびいて、ふわりと桃みたいな匂いを運んできた。