1周まわって、好きかもしれない。



バッグを床において、ネクタイを緩める恭介が、なんだか少し遠く感じる。



「…あ!やっぱりこれ!」




棚に綺麗に並べられているゲームソフトのケースを見て、思わず声を上げる。

そこには黒髪ロングの清楚な女の子。



「似てる…」



河谷由莉ちゃんに、似てる。
ていうか、そっくり。



「…お前も似てると思う?」

「うん…」



誰に、ってことは言わなかったけど、言わなくてもわかった。

なるほどね、だから今回は特別なんだ。



< 117 / 293 >

この作品をシェア

pagetop