1周まわって、好きかもしれない。
バッグを床において、ネクタイを緩める恭介が、なんだか少し遠く感じる。
「…あ!やっぱりこれ!」
棚に綺麗に並べられているゲームソフトのケースを見て、思わず声を上げる。
そこには黒髪ロングの清楚な女の子。
「似てる…」
河谷由莉ちゃんに、似てる。
ていうか、そっくり。
「…お前も似てると思う?」
「うん…」
誰に、ってことは言わなかったけど、言わなくてもわかった。
なるほどね、だから今回は特別なんだ。